個展です

 20231026


アーティストは炭鉱のカナリヤだと以前にいいました。
だから、世界や日本がこんな大変なことになってるからには、自分が真っ先に倒れるざまを見せるのでなければ職務怠慢なようですが、なぜかまだしぶとく絵描きをやっております。
倒れる前に一矢報いようとじたばたしてるさまをご覧いただける個展のご案内です。
名古屋のギャラリー紗季さんで、来月3日から。
お近くの方、なにかのついでのある方、ぜひー。

そんなこんなで、ニュースに心を痛めては毎日おろおろしています。
長年パレスチナを奪搾暴圧してきたイスラエルの所業を鑑みれば、テロを生んだのはハマスではない。憎しみである。だから、新しい憎しみの発生するかたちでいくらハマスを撲滅しても、第2第3のハマスが出てくるだけ。消すべきはハマスではなくて憎しみ。
なんていうと、右翼は笑うでしょう。中国が香港を、ミャンマー軍が自国の市民を、憎しみを残したまま、力で黙らせることに成功したじゃないか、もう国際社会もなにも言わなくなったよ、と。
右翼さんにしてみれば、そうやって強いものが生き残る世界で自分も強くなれば満足でしょう。が、アーティストにとっては、世界で自分が生存可能である、というだけでは足りません。「生きるに値する、よき世界」にいられなければ仕事も呼吸もできません。
いくら自分がたまたま強者たり得たとしても、弱者を害虫のように踏みつける強者が支配するならば、それが「よき世界」であるわけがありません。より強い者がいつか現れて、自分が害虫として撲滅されるだけなのですから。
かといって彼らに言葉は届かない。彼らに通用するのは「力」だけ。
「力ではなく道理の通用する、言葉の届く、よき世界」を、核戦争が起きる前にどうにかして発明しなければ、われわれ、強者も弱者もみんな仲よく自己撲滅ということになりますが、右翼のみなさんはそれでいいのでしょうかね。



媚び

 20231020

「米はどうしてここまでイスラエルに媚びなければならないのか。心底あきれて言葉がありません。
日本でいえば自民党にとっての統一教会とか日本会議とか米国がそんな感じですが、日本よりもたちが悪いのは、米ではその「媚び」加減が民主党も共和党も同じなこと。
オバマ元大統領のツイッターを見てみたが、へっぴり腰の本当に情けないものでした。今回の戦争については触れたくないがまったく言及しないのもおかしいから当たり障りのないことを一度だけ言っておこうという卑屈さがみえみえです。ノーベル平和賞なんか剥奪するくらいでちょうどいいのではないでしょうか。
ロシアの虐殺行為や中国の国際法違反やハマスのテロを非難する理由がほんとうに「人道」だとか「普遍的価値」だとかのためだというのなら、イスラエルのジェノサイドにもそれを言ってごらんなさいよ。
と訴えるあなぐま」
2023年 紙にアクリルガッシュ

 


21世紀のホロコースト

 20231014

「ちょっと人類ちゃん、まさか21世紀にもなって、ホロコーストの再来を見ることになるとは思わなかったよ!
バイデンもマクロンも、ネタニヤフのやることをただ指くわえて見てるわけ?
岸田には最初から期待してないけど。
と憤る みみずく(おおこのはずく)」
2023年 紙にアクリルガッシュ


まじめとはなんだろうか

 20231003

「つくづく、「まじめ」とはなんだろうと思います。

太平洋戦争のときに、軍の狂った上層部は別として、現場の「兵隊さん」たちがあれだけの残虐さを発揮したのは、日本人が好戦的だからというよりは、「まじめ」だからだと思います。
戦争ではまじめに人を殺すべきだ、残虐であるほど「良い」のだと信じて、自分の中の残虐性を、世界一の「まじめさ」でもって鼓舞してあれだけのレベルにまで持っていった。
一方、本土に残った人たちは世界一のまじめさを忍耐力の方向に発揮して、未曾有の「欲しがりません勝つまでは」を体現してみせた。

ものさしを他者の眼の中にしか見いだせない人が「まじめ」であった場合にどういうことになるか、先の戦争はそれを教えてくれた壮大な教訓だったのだと思います。

翻って現代。
岸田政権の無能無策に文句一ついわず「まじめに」節約に励み、「コロナとかウクライナ情勢とかあったからしょうがないよね」といって、「でも景気は上昇傾向ってテレビで言ってたよ、そんな気がしないのは自分の心がけが足りないのでしょう、でも最低賃金が50円上がったの、こんなご時世にありがたいわー」でまじめに今日もサービス残業。
そいういう忍耐強くまじめな宿主に出会った寄生虫はずいぶん幸運なことです。そうはいっても、寄生虫の繁栄には、宿主の健康が不可欠なんですよ。この世界一強靭で善良な宿主をさえ殺しにかかっている、日本の経団連とか自民党とかは、世界一愚かな寄生虫の見本として歴史の教科書に載るのでしょう。
でもそんなもの教科書に載せてもらっても誰もうれしくないので、なんとか早急に駆虫の手立てが必要です。
最大の駆虫薬は投票率の上昇です。
投票率世界第139位の国の人類ちゃん、まじめさを今度は投票の方向へ発揮しませんか?

と訴えるふくろうの親子」

2023年 紙にアクリルガッシュ