説得…

 20230426

画像は
「投票率の低さに驚かなくなった自分に驚いたのがもうはるか昔のような気がしている自分に驚いている4羽の鳥」
2023年 キャンバスに油彩

「自由への渇望」を持たぬ者に「自由」を使いこなすことはできません。
「自由」を外から与えることはできても、「自由への渇望」は与えることができません。それは、来たるべき次の焼け野原の上に自ずから芽吹くほかない。
願わくば、次の焼け野原が早めに、小さく済みますように。

そうしている間にも日本の政治は機能しなくなって取り返しのつかないところまで来てしまい、蛸が自分のどの脚を食べるかみたいな議論しかできない国になってしまいました。

なので、投票しない人に腹を立てている人の気持ちはよくわかります。でも、投票しない人を非難してやっつければその人が投票に行くというものではないので、ここはそういう人に届く言葉を見つけて、情理を尽くして説得するしかありません。

このままでは、スーパーにお惣菜やパンが隙間なく並ぶのが当たり前でなくなるのももうすぐです。そうなってから慌てても、もう選挙がどうのなんて言ってられないですよー、米騒動や一揆しかなくなりますよー。
これだと説得ではなくて脅迫ですかね。
と、4羽の鳥たちも言葉を探しあぐねております。


 

個展のご案内

 20230417

無宗教の人でも、世界の不思議さに耐えきれなくなったときは、地球とか宇宙とかになにか意志のようなものがあるとみなすといろいろ説明がつき気持ちが楽になるということはあるでしょう。
なのに、科学の徒というのはやっかいで、どんなものについても、どうしても否定できなくなるまではそれを認めない(仮説のままにとどめておこうとする)もので、ぼくもそういう科学の徒のなれの果てですから、いまのところはその存在を認めずに世界の不思議さに耐えるしかなさそうです。

ただ、地球にもし意志や感情があったとしても、地球がいま泣いているとは思いません。人類をこれから盛大に泣かせるだろう温暖化や核の問題も、地球の46億年の星霜に比べればさざ波にもならないでしょう。
恐竜を絶滅させた隕石の惨禍をむしろてこにして繁栄してきた連中の末裔たちは、環境が新しくなればなったで、適応できるものが繁栄し適応できないものが衰退するという、いままでの続きをやるだけです。地球そのものとしてはそこに良いも悪いもないのでしょう。

などと言葉にしてはみるものの、自然の中を歩いてものを考えていると、どうしても言葉というものの限界を思わされます。自然から受けた示唆を言葉にする試みは、なんだか、無理数のはずの円周率を3.14とみなしてごまかすような後ろめたさが付き纏うものです。その後ろめたさを拭うために絵を描いているのかもしれませんが、もちろん、どんなに絵を描いてもそれが拭われた試しがありませんから、つまり幸いなことに一生絵を描き続けることができるということのようです。

前置きが長くなりましたが、来月の個展のご案内です。

5月11日(木)ー29日(月)ただし火・水曜日はお休み
10:00ー17:00(初日は13:00から)
会場:陶仙房 須栗平
茅野市湖東須栗平3208
電話 0266-75-5522

油彩を中心に新作をせっせと制作中です。
すてきな古民家のカフェの一室です。ぜひお楽しみください。