妖怪壁塗り

20181214
妖怪「壁塗り」
この妖怪、壁塗り又の名を漆喰塗りと云ひ、八ヶ岳の麓にふと訪らひ来たりてこの地いたく気に入りたりとて住み着きて十余年也。山の樵(きこり)の話に、この者よく図画などなしては里へ売りに行くもしばしば夜更け疲れたれば狢(むじな)鵺(ぬえ)などと鳴き交はしては穴などに潜り込み眠りこけるは常のこと也。先日結んだ庵の改修工事など申し粉まみれで壁塗りに没頭するさまは老狸の如しと云ふものありあるいは猿猴の如しと云ふものもありしかども未だその姿を見たる者なし。清盛公も退治を命じたれども叶はずと伝へり。


なまず

20181214
クリスマスといえば、鯰(なまず)ですね(?)。なまずといえば、むかし、かなりびっくりしたできごとがありまして、もう時効だと思うので書いておきます。

むかしぼくが勤めていたある動物園の配置換えで、ぼくはある飼育展示施設の担当になりました。その中にボイラー室があったのですが、老朽化したボイラーが使われなくなり、さらに前担当者がものを捨てられない性格だったこともあって、当時すでにそこはあらゆるがらくたが天井までうず高く積み上がったカオス部屋と化していました。ぼくもしばらくは出入口を行き来するための最小限の通路だけを確保して、あとは横のがらくたの山を見て見ぬふりでやり過ごしてきました。
しかし1年ほどたったころ、飼育動物が増えてきてさすがに手狭になり、場所の確保のため一念発起してそこを片付けることになりました。格闘すること1週間。泥まみれのコンパネやら作りかけのままの標本やら朽ちた看板やらをどかしてみると、60センチサイズの水槽が部屋の一番奥、床の上にあるのが目にとまりました。さて、これは何年前からここにあったのでしょうか。水槽の上にこれだけの膨大ながらくたが自然に積み上がるのに最低1年くらい? ぼくが担当になったときにはすでにこうなっていた、それが1年前なので、すると合計2年は放置されていたと思われます。水槽の中では真っ黒に濁った水が悪臭を放っており、それをバケツで汲み出そうとしてふとその中に…黒い塊があるのに気がつきまして、、、立派な大人の鯰(なまず)でした。生きておりました。ぼくはあわててちゃんとした水槽に鯰を移して、えさの金魚を入れてみました。鯰はあっという間に金魚をぱくぱく飲み込んで、水槽の底でおとなしくなりました。
その後しばらくは施設の裏側で静養していましたが、あまりに食欲旺盛で元気なので、後日ちゃんと解説ラベルを作って、日本の淡水魚の展示コーナーに移動してお客さんに見てもらうようにしました。小さくて地味な魚ばかりのこのコーナーでたちまち目玉動物となって、えさの金魚を食べる様子は子どもたちにも大人気となりました。めでたしめでたし。
そのうち「あのとき助けていただいた鯰です」といって誰かが訪ねてきてくれるはずなのですが、まだかなあ。

さかな

20181206
よーくみないとわからない絵もたまには描かないと。
「二魚」2018年 板に油彩。