まじめとはなんだろうか

 20231003

「つくづく、「まじめ」とはなんだろうと思います。

太平洋戦争のときに、軍の狂った上層部は別として、現場の「兵隊さん」たちがあれだけの残虐さを発揮したのは、日本人が好戦的だからというよりは、「まじめ」だからだと思います。
戦争ではまじめに人を殺すべきだ、残虐であるほど「良い」のだと信じて、自分の中の残虐性を、世界一の「まじめさ」でもって鼓舞してあれだけのレベルにまで持っていった。
一方、本土に残った人たちは世界一のまじめさを忍耐力の方向に発揮して、未曾有の「欲しがりません勝つまでは」を体現してみせた。

ものさしを他者の眼の中にしか見いだせない人が「まじめ」であった場合にどういうことになるか、先の戦争はそれを教えてくれた壮大な教訓だったのだと思います。

翻って現代。
岸田政権の無能無策に文句一ついわず「まじめに」節約に励み、「コロナとかウクライナ情勢とかあったからしょうがないよね」といって、「でも景気は上昇傾向ってテレビで言ってたよ、そんな気がしないのは自分の心がけが足りないのでしょう、でも最低賃金が50円上がったの、こんなご時世にありがたいわー」でまじめに今日もサービス残業。
そいういう忍耐強くまじめな宿主に出会った寄生虫はずいぶん幸運なことです。そうはいっても、寄生虫の繁栄には、宿主の健康が不可欠なんですよ。この世界一強靭で善良な宿主をさえ殺しにかかっている、日本の経団連とか自民党とかは、世界一愚かな寄生虫の見本として歴史の教科書に載るのでしょう。
でもそんなもの教科書に載せてもらっても誰もうれしくないので、なんとか早急に駆虫の手立てが必要です。
最大の駆虫薬は投票率の上昇です。
投票率世界第139位の国の人類ちゃん、まじめさを今度は投票の方向へ発揮しませんか?

と訴えるふくろうの親子」

2023年 紙にアクリルガッシュ