G7

 20230522

「プーチンのあの馬鹿な侵略行為がなければ、今回のG7は何がメインテーマになっていただろうか。
食料?
貧困?
気候変動?
もしかしたら「どうやって習近平をやっつけるか」くらいなことでしょうかね。
今回のG7について、
対米従属の鉄砲玉主義陣営は「すばらしい成果だ」と大喝采の一方で、平和主義者は「広島の思いを踏みにじった」と大ブーイング。
そりゃーそうでしょう。「核軍縮はやりたいけどあのひとやこのひとのせいでできないのよ、お利口さんならわかるよね」というだけのメッセージが、わざわざ被爆地を発信地に選んだ「広島ビジョン」だっていうんですから。
せめて口先だけでも、「力には力をという出口なきジレンマを解決できず、核廃絶を実現できずにいる我々自身が恥ずかしく、原爆の犠牲者の御霊に申しわけなく思います」くらいの語彙の持ち合わせがないものでしょうか。
日本がロシアと敵対するぞという決意は以前から示されていたわけですから、今回ゼレンスキーが招かれてプーチンが招かれなかった不均衡について今さらなんの感慨もありません。ただ、アメリカとその一味が、仲裁なり説得なりする料簡をはなから持たぬまま、プーチンが「参りました」と言うまでやっつけ続けるだけの、アメリカのアニメヒーローみたいな態度で本当にいいのでしょうか。
プーチンが「参りました」という前に核のボタンに手をかける可能性については、「そんな、自分まで破滅するような愚かなことはしないよね」ということにして澄ましている。ちょうど「全電源崩壊は起こりえない」といって大惨事を招いたどこかの元首相みたい。
まあ、逆上させないようにちょっとずつやっつけていけばだいじょぶよ、ということのようですが、心もとないことこの上ない。
そして、そんな騒動の陰で食料危機の足音が近づいています。問題の構造上、戦争が終われば解決するような簡単なものではなさそうです。それに対して我が国政府はもう「弱い人には死んでもらいます」という方策しか打ち出さないだろうことは、「いま」まさに酪農家をどんどん廃業させて知らん顔しているのをみていたらいやでもわかります。
飢えた国民に知らん顔の政府が、倍増した防衛費を、国民を守るために使いこなせるわけがないのは当たり前だと思うのですが、鉄砲玉主義のみなさんはどうお考えなのでしょうか。
と訝っているおなが」
2023年 紙にアクリル絵具