20260618
ごくまれに、100点満点中200点(当社比)の絵が描けるときがあります。そのときはたとえばこういうときです。
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ある絵を描いていて、100点満点中95点の出来になった。あと5点、あれれ、そのためには中央のこの大きな魚を丸ごと角度5度傾けなければいけないなー。
たった5度といえども、傾けるということは、その周囲をも含め全面描き直しである。
今ここで完成とみなしても、95点なのだから作品として十分言いわけは立つ。またはちょっとしっぽを長くしたら2点アップで97点にはできるよー。
と悪魔がささやいてきます。
こういうときに、「いやいや、5点アップ以外は認めません。」と全面描き直しができるかどうか。
描き直すと言っても(5度だけ傾いた)まったく同じものにはならないだろう。やらないほうがましだったということもあり得る。そのときに後悔してももう戻れない。
この描き直しのためのエネルギーを100とすると、そのうち99は「たった5点のためにやってやるぜ」と「腹をくくる」ために使われます。
エネルギーが99貯まるまで、うんうん唸ったり歩きまわったり、ここ片付けなきゃ、とかこの本読まなきゃといって逃げ回ったり、政治の悪口を言ったりいろいろやってずいぶんと時間を浪費します。今この文章を書いているのもそういう活動の一環かもしれません。
だから、やってやるぜーと絵の具をパレットにもりもりと出した時点で、ほぼ完成したようなものです。あと1歩。
と、そのときです。
いざやり出すとぜんぜんちがう世界が向こうからやってきて、「わしは絵の神さまから遣わされた者じゃ。わしを描け」「いやいやおれも入れろ」と変なものたちが自分から絵の中に飛び込んできて、勝手に200点の絵にしてくれたりするのです。
とにかく、こじんまりとまとまるのが一番いけないようです。
「たった5点のために全面描き直し」という、どう考えても割に合わないことをやらないと、絵の神さまも寄ってこない。
ろくでもないことは、全力でやるに限ります。
画像は「旅魚」2026年 キャンバスに油彩












