うそ夫婦

 20260108

「〇〇の真実」などというYouTube動画みたいなのを見るのは、ほとんどの場合、有限な人生の時間をドブに捨てるようなものです。
図書館で手当たり次第なるべくいろんな棚から選んだ本を1000冊読んだあとでそういう動画を見たら、それがどんなに薄っぺらくうさんくさいものかきっと嗅覚ですぐにわかります。脳内で「うさんくさい警報」がぴーぴー鳴ります。
過去に犬を1000匹見たことがある人ならば、猫を初めて見たとしても、その動物が犬ではないことははっきり直感的にわかるようなものです。
けれど、犬を1匹か2匹しか見たことのない人は、「犬は足が4本あるでしょう?この動物だって足が4本ありますよね?だからこれも犬なんです」とか言われると無邪気に「そうかー」と騙されます。
10匹だけ見た人なら、「犬にはいろんな品種があるのはご存知でしょう?この動物もそういう品種のひとつなんですよ」という騙され方になるでしょう。
でも1000匹見てきた人なら、
「いや、どう見てもこれは犬じゃないよね」ということは肌感覚で一瞬でわかるものです。厳密に証明するのはDNA分析などが必要で、だから「嘘だというなら証明しろ」と言われてもすぐにはできないというだけです。

本を1000冊読むというのは、今これからやろうとしたら気が遠くなりそうな数ですが、ふだん読書の習慣のある人ならば、ある程度の人生を生きていれば自然に到達できているレベルのことです。
ですから、冒頭のような話は、ふだん読書する人とならすぐに話が通じるのですが、そうでない人はまったくわかってくれません。
人類を肌の色なんかで分けるくらいなら、読書する人類としない人類とに分けるほうがどれほどいろんな示唆が得られるかわかりません。

画像は「うそ夫婦」2025年 画用紙にアクリルガッシュ
ちなみに、この「うそ夫婦」の「うそ」は「嘘」ではなくて、鷽(うそ)という名前の野鳥です。


 

りす

 20260101

今年は政治の悪口を言わなくてもいい平穏な世の中になりますように。
あと、どんぐりを新しい貨幣と定める新しい法律ができますように。


未来

 20251211

はるかな遠い過去のことは「太古」というが、はるかな遠い未来のことを表す日本語は見当たらないようです。 仏教用語とか中国語とかにならそういう言葉はありそうですが。 
もし日本語でそういう語彙を発明するとしたら、どんなのがいいかなー。

画像は季節外れの「えながのきょうだい」画用紙にアクリルガッシュ 2025年


すずめ

 20251127

「政権を批判する人を「さては外国のスパイだな」と決めつける人たちが提出する「スパイ防止法案」が何のために使われるかは普通に考えたらわかりますよねー、と大騒ぎするすずめ」 2025年 紙にアクリルガッシュ


読書

 20251113

今が大日本帝国回帰まっしぐらなのは地球が丸いのと同じくらいわかりきったことのようにぼくには思えるのですが、全国民の6割だか7割だかいるらしい高市支持者の人はそうは思わないんでしょうか。それとも戦前回帰したいんでしょうか。
かつて焼け野原と引き換えに得た教訓がたったの80年で水泡に帰すとは、ほんとうに人間は歴史から学ばない動物なんだという現実が身に沁みます。
歴史から学ぶっていったって、必ずしも歴史の専門書だとか論文だとかを読むということではなくて、ぼくが思うに、ふだん普通に読書の習慣を持つというだけで十分です。もちろん家電の取扱説明書を読むのが読書ではないのと同様、処世術だのハウツー本だのを読むのは単なる「用事」であって読書ではありません。読書というのは役に立たない本をただ愉悦のために読むことです。

たとえば昭和のろくでもない通俗小説なんかを手当たり次第読んでみるといいと思います。ごくふつうの市民が戦前や戦中や終戦直後にどういう空気の中でなにを思って生きていたか、べつにそいういう主張や議論をしようとして書いているのではなくて、当時のごく当たり前の空気としてにじみ出てきてしまうものを、肌で感じたらいいと思います。
そしたら次は明治の随筆を、次は外国の科学者の伝記を、というようにいろんな本を読んでいったら、昭和の日本を俯瞰的に見ることができて、気づいたらいまの日本をこそ立体的に見ることができるようになっている。というふうに肌に染み込んだ歴史認識がまずは必要なんだと思います。

youtubeで「〇〇の真実」なんか見るのは図書館の本を全部読んでからでたくさんです。
本をたくさん読んでいれば、youtubeのいう嘘は嘘だと嗅覚でわかるし、脳内で「うさんくさい警報」がぴーぴー鳴ります。
古今東西の100冊(できれば1000冊)の本で支えられた認識が、ひとつの動画でひっくり返ることはないです。
画像は「小さな森」(改良前)2025年 油彩


 

劉薇さんとの二人展開催します

20251019

明日20日からです!
【劉薇×吉野剛広 2人展】
10.20.月 - 11.3.月
11:00 - 16:00 会期中無休

展示作業もなんとか間に合いました!
お試し喫茶も引き続きやります。

おかげさまで25日のコンサート&トークのご予約は満席となりました。
初日の20日は劉薇さんは他のお仕事の関係で残念ながら在廊されませんが、二日目はいらっしゃる予定です! 


 




八ヶ岳高原ロッジにて個展開催中

 20250924

一人も知り合いに会わないなあ、と思ってよく考えたら、告知をどこにも誰にもしてませんでした。
じつは八ヶ岳高原ロッジにて、個展開催中です。
ぼくは会場にいたりいなかったり、いるのに見えなかったり、します。
10月3日まで。
その後、10月20日からは劉薇さんとの二人展を麓人舎にて開催です。劉薇さんの作品は愛があって、ほんとうに素敵です。こちらもよろしくお願いします。


 


 

計算の外側

 20250913

ぼくの場合、絵は、どこかで計算外のことが起きなければ完成しないものです。
しかし、計算外のことを起こそうとして何らかの狼藉に及んだとして、その結果どんな意外なことが起きたとしても、それは「計算外のことを起こそうとして」予定どおり計算外のことが起きた、というだけのことであって、絵の神さまの目からはそれは計算内のことと判定されます。「メタ計算」とでもいうのかどうかわかりませんが。
本当に計算外のことが起きるためには、「計算どおりにしようとがんばったのに計算外のことが起きちゃう」ことが必要なんです。
これが起きちゃってくれるために人智は何の役にも立ちません。せっせと手を動かすことしかできることはありません。絵の神さまはは脳みそにではなく手に宿るということです。

画像は「どんぐり森」2025年
少しは絵の神さまが助けてくれて、完成にこぎつけました。


 

非戦の想像力展

 20250806

今年も「非戦の想像力展」に参加します。

8月8日(金)〜18日(月)  13日(水)はお休み
10:00〜17:00  最終日16:00まで

おいでやギャラリー
山梨県北杜市長坂町長坂上条2340
TEL 0551-32-1161

30人くらいの作家さんが出展します。
会期中、イベントとか出店とか、いろいろあります。

ぼくは、戦争がなくならない世界に抗議して蓮華座で焼身自殺するパフォーマンスをしてみたいのですが、それだと死んでしまうという欠点があるし、暑そうなので、やっぱり例年どおり絵の展示をします。
 



 

月洞門

 20250711

「だらしなく生きる」を座右の銘とする人間が、改装作業をのらりくらりとやってます。
いまは、「月洞門」という、中国の庭園とかによくある素敵なかたちの出入口をつくっています。

10月下旬にはここ麓人舎で、バイオリニストで画家の劉薇(Liu Wei)さんとぼくとの二人展があります。それまでにはすべて完成してリニューアルオープンの予定です。
劉薇さんの絵は、祖国や音楽や自然への愛があふれていて、大好きです。ぜひぜひみなさん見にきてください。